
深溝玉軸受単列深溝玉軸受は、転がり軸受の中で最も代表的な形式であり、その用途は広い。内輪・外輪に設けられた軌道の溝は、転動する玉の半径より、わずかに大きい半径の円弧の横断面をなしている。
ラジアル荷重のほかに、両方向のアキシアル荷重を負荷することができる。摩擦トルクが小さく、高速回転する箇所や低騒音、低振動が要求される用途に最も適している。
この軸受には、開放形のほかに、鋼板でシールドした軸受、ゴムシールで密封した軸受あるいは外輪外径に止め輪の付いた軸受がある。一般に、鋼板の打抜き保持器が使用されている。
単列アンギュラ玉軸受この形式の軸受は、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷することができる。玉と内輪・外輪とは15°、25°、30°又は40°の接触角をもっている。接触角が大きくなるほどアキシアル荷重の負荷能力は大きくなり、接触角が小さいほど、高速回転には有利となる。
通常、2個の軸受を対向させ内部すきまを調整して使用する。
一般に、鋼板の打抜き保持器が用いられるが、接触角30°以下の高精度の軸受には、主にポリアミド成形保持器が使用されている。
複列アンギュラ玉軸受複列アンギュラ玉軸受は、2個の単列アンギュラ玉軸受の外輪背面を合わせ、内輪及び外輪をそれぞれ一体とした構造の軸受である。したがって、両方向のスラスト負荷能力をもっている。
自動調心玉軸受内輪は2列の軌道をもち、外輪の軌道は球面をなしている。球面の曲率中心は軸受中心と一致しているので、内輪、玉及び保持器は外輪に対して自由に傾くことができる。軸やハウジングの加工誤差や、取付不良などによって生じる軸心の狂いは、自動的に調整される。
なお、内輪テーパ穴の軸受もあり、アダプタによって取り付けられる。

単式スラスト玉軸受 / 複式スラスト玉軸受玉が転動する溝をもった座金状の軌道輪と玉を組み込んだ保持器とから構成されている。軸に取り付ける軌道盤を軸軌道盤といい、ハウジングに取り付ける軌道盤をハウジング軌道盤と呼ぶ。複式の軸受では、中央の軌道盤(中央軌道盤)を軸に取り付けて使用する。
単式のスラスト玉軸受は、一方向のアキシアル荷重を受け、複式の軸受は、両方向のアキシアル荷重を負荷することができる。
取付誤差などの影響を軽減するため、ハウジング軌道盤に調心座金を付けた形式のスラスト玉軸受もある。
小形の軸受には、主として、鋼板の打抜き保持器が使われ、大形の軸受にはもみ抜き保持器が使用される。
ニードルローラーベアリング針状ころ軸受には、長さが直径の3〜10倍の細長いころが数多く組み込まれている。したがって、軸受はころ内接円径に対する外径の割合が小さく、比較的大きなラジアル負荷能力をもっている。
針状ころ軸受には、外輪が特殊合金鋼板製のシェル形軸受、削り出し軌道輪のソリッド形軸受、軌道輪を省いたケージ&ローラ、カムフォロア形式の軸受などがある。また、内輪付き、内輪なしあるいは保持器付き、保持器なしなどの形式や区別がある。
保持器付きの軸受には、主として鋼板の打抜き保持器が使用される。
円筒ころ軸受円筒状のころと軌道とが線接触をしている単純な形状の軸受である。負荷能力が大きく、主として、ラジアル荷重を負荷する。転動体と軌道輪のつばとの摩擦が小さいので、高速回転に適している。
軌道輪のつばの有無によって、NU、NJ、NUP、N、NF形などの単列軸受及びNNU、NN形の複列軸受がある。
いずれの形式も、内輪と外輪は分離できる。内輪又は外輪につばの無い形式の円筒ころ軸受は、内輪・外輪がアキシアル方向に相対移動できるので、自由側軸受として使用される。内輪又は外輪のいずれかに両つばがあり、他方の軌道輪が片つばの円筒ころ軸受は、一方向のアキシアル荷重をある程度負荷することができる。内輪又は外輪につばの無い形式の円筒ころ軸受は、内輪・外輪がアキシアル方向に相対移動できるので、自由側軸受として使用される。内輪又は外輪のいずれかに両つばがあり、他方の軌道輪が片つばの円筒ころ軸受は、一方向のアキシアル荷重をある程度負荷することができる。
主に鋼板打抜き保持器と銅合金もみ抜き保持器が用いられるが、一部にポリアミド成形保持器も使用されている。

円すいころ軸受円すい台形のころが転動体として組み込まれており、内輪の大つばによって案内される。ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重とを負荷することができ、その能力は大きい。高負荷容量軸受として、ころ寸法ところ数を増加させたHRシリーズがある。
アンギュラ玉軸受と同様に、通常、2個の軸受を対向させて使用する。この場合、内輪どうし又は外輪どうしの間隔をアキシアル方向に調整することによって、適切な内部すきまを設定することができる。
分離形であるために、内輪と外輪とを別々に取り付けることができる。
接触角の大きさにより、並こう配形、中こう配形及び急こう配形の軸受があり、ころの列数によって、複列及び四列の円すいころ軸受もある。一般に、鋼板の打抜き保持器が用いられる。
自動調心ころ軸受2列の軌道をもつ内輪と、軌道が球面の外輪との間に、転動面がたる形のころを組み込んだ軸受である。
外輪軌道面の曲率中心は、軸受中心と一致しているので、自動調心玉軸受と同様に調心性がある。したがって、軸やハウジングのたわみがある場合又は軸心の不一致がある場合には、自動的に調整され、軸受に無理な力が加わらない。
自動調心ころ軸受は、ラジアル荷重及び両方向のアキシアル荷重を負荷することができる。
ラジアル負荷能力が大きく、重荷重、衝撃荷重のかかる用途に適している。内輪内径がテーパ穴の軸受は、直接テーパ軸に取り付けるか、アダプタ又は取外しスリーブを使用して円筒軸に取り付ける。
保持器には、鋼板打抜き保持器、銅合金もみ抜き保持器などが用いられる。